こんにちは。
筆者は40代、IT業界歴20年弱の会社員なのですが、その時々の所属企業は違えど、
その会社員人生の8割くらいは日経SIerと呼ばれる顧客の要求仕様に沿ってシステムを構築する会社で過ごしてきました。(残り2割は外資系ITベンダ)
システムを作る、という行為に楽しさを感じるところもありつつも、キャリアを重ねていくことで色々と思うところもあり、2022年末に退職・転職することとなりました。
これからSIer業界を目指す方、逆にSI業界を辞めようと思われている方がいればぜひ参考にして頂ければと思います!
SIer(システムインテグレーター)って?
筆者が辞めた会社は所謂日系の大手システムインテグレーターと呼ばれる会社で、自社で何かITサービスを開発・提供する会社ではなく、顧客の要求仕様に沿って、システム構築・運用等を請け負うことを生業としている会社でした。
ご存じない方の為に、システムインテグレーターの世界を補足させて頂くと…
お客様企業の案件を、
大手システムインテグレーターが受注し、自社社員や協力会社社員(2次受け、3次受けとか伊言たりします)のITエンジニアがプロジェクトチームを発足してその稼働工数をお客様から対価して頂く、というビジネスが主体となります。
システムインテグレーターのキャリアは自分にプラスになるのか?
これは結局のところ、その人の価値観次第ではあるので、
あくまで筆者個人の経験則からの所感として記載したいと思います。
エンジニアとしての技術向上
30代前半までなら技術力向上は見込めると思います。
筆者のキャリアを振り返ってみるとエンジニアとして技術が向上しているな、と実感していたのは30代前半までくらいかなと思っています。
といいますのも、やはり30歳前後は会社からの期待値として、お客様フロントに立つことを会社が求めてくる時期であり、同時に内部のプロジェクトリードを要求される時期なんですよね。
PM、PLを任される機会が増えるから、、なかなか若手時代のように技術を突き詰めるのが難しくなってくるんじゃないのかなぁと。
※もちろん、ベテランでも一SEとして極めることを認めている会社さんもあります。
年収面
年収の基準点を自分でどこに置くのかにも依存しますが、年収を伸ばすという観点においてポテンシャルはまだあると思います。(思いたい…)
国内の大手システムインテグレーターも色々いますが、総じて課長と呼ばれるクラスになってくると1,000万ラインに乗る、あるいは見えてくる、という感覚です。
筆者自身も在籍当時はちょうどこのあたりの立ち位置にいましたが、、このポジションをやりきるのは無理だなと思ってしまい、、今回転職を決断しました…笑
そもそも論として、どこの会社もそうだとは思いますが、なかなかポストが空くことが無い点、
加えて膨大な間接業務。。プロジェクトが燃えたときの消化対応、チームメンバの育成等、そこまでやり切れるのかな、と。。
ただ、IT業界の良いところとして挙げたいのはIT技術はアメリカ発がほとんどなので、国内SIerの次のステップとしてIT外資系が選択肢に入ってくる、という点は年収の更なる伸びしろとして期待が出来ます。
別に記載が出来ればと思いますが、外資系の営業職やプリセールス職は役職無でも高年収が十分狙えます。
システムインテグレーション業界としての将来
ここについては正直わかりません笑
世間的にはシステムインテグレーターオワコン説が流れているのですが、
プラスの面をお伝えすると、筆者が過去所属していたSIer(2社)は基本的には増収増益で来ているので、少なくともこの2023年までは日本の事業会社はシステムインテグレーターの力を必要としていたのだろうとは思われます。
実際、お客さんと会話をしていてもITに精通した人を常時雇用(しかもそれなりの金額で)することが現実的ではない、というようなお話もよく聞きますので、SIerがすぐに不要になったりということはないように感じられます。
一方マイナスの面をお伝えすると、、やはり商習慣としてしみ込んでしまった人月工数から脱却できないという現状でしょうか。
IT自体は無形サービスなので、サブスクリプションサービスのように、一つ用意して、それを広く売る、ということで大きなリターンを得る可能性があるのですが、
日本のシステムインテグレータが販売を行う場合、
プロジェクトマネージャが1か月100時間このプロジェクトの為に働きます、1時間1万円なのでひと月100万円頂きます、というような販売形式がほとんどなんですよね。。
お分かりのようにこの場合ですと、売り上げが人数に比例するのでスケールさせようと思うと人数を増やすとか、案件の兼任を増やすとか、、なんとも悲しい方向性になってしまうんですよね。。
今回は以上です!